面接で聞かれて「ヒヤッ」!最新の教育トピックについて知る必要性。
ある学校での親子面接で、父親に対して「お子様の自己肯定感を高めるために何かしていることはありますか?」という質問がありました。
焦る夫の様子がこちらにも伝わってきました。「何でも好きなようにやらせています!」という「?」な回答。そしてそれ以降の受け答えも動揺のためかグダグダ・・・。
「自己肯定感」、おそらく様々な学校の説明会に参加したり学校パンフレットに目を通したりしている方なら一度は目にしたことがあると思いますし、普段から教育に興味のある方なら知っていて当たり前ですよね。
でも、私はこの面接を通じて知りました。仕事中心の生活で子どもの教育に対してあまり関心がない人は基本的な教育用語について無知であることを。教育のトレンドは時代とともに変化します。自分たちが受けてきた教育と今の教育では違うことがたくさんあるので、お受験するにあたっては常にアンテナを張って何がトレンドなのか知っておく必要があります。

押さえておくべき基本用語はこれ!
まずは基本のキ。必ず理解しておくべき用語についてまとめました。
非認知能力
非認知能力とは、認知能力以外の能力を広く示す言葉で、テストなどで数値化することが難しい内面的なスキルのことです。具体的には「目標を決めて取り組む」「意欲を見せる」「新しい発想をする」「周りの人と円滑なコミュニケーションをとる」といった力のことで、子どもが人生を豊かにする上でとても大切な能力であると言えます。
一方で認知能力とは、IQ(知能指数)に代表されるような、点数などで数値化できる知的能力のことです。IQという言葉は一般的にもよく知られており、大人が子どもの能力を把握する上で参考にしやすい指標のひとつです。
非認知能力は、世界で起こっている様々な問題(環境破壊・貧困・差別・戦争など)を解決する可能性があるとして、世界中で注目されています。
自己肯定感
自己肯定感とは、非認知能力の中で最も重要で、全ての行動の土台となるもの。良いところも悪いところも含めて自分をあるまががに受け止め、無条件に自分の価値を認めること。
自己肯定感が高ければ、精神的に安定していて、人からの評価を必要以上に気にしたり、誰かと比べたりすることにとらわれません。ちょっと難しそうなことでも失敗を恐がらずにチャレンジし、その結果できることが増えて、自分の可能性をさらに広げていくことができます。

STEAM教育
STEAM教育とは、2000年代後半からアメリカで開始された新しい教育手法のことです。Science、Technology、Engineering、Art、Mathematicsの5つの単語の頭文字を組み合わせて、STEAMと呼ばれています。
STEAM教育の狙いは、1つ1つの教科の学びを基盤としながら、教科の枠を超えて横断的に学び、問題を見つける力や解決する力、創造する力を育むことにあります。
例えば環境問題を解決するために「二酸化炭素を減らすには?」と考えるとき、二酸化炭素についての科学的な知識を持つとともに、世界全体の排出量について調べる社会科的な観点も必要となってきます。さらに調べるためにはタブレットなどの情報機器を活用する必要があります。さらに研究や成果をアウトプットするにはアートの力も必要です。このように、課題や問題に対して主体的に取り組み、具体的な解決策を学問横断的に創造的に表現す身に付けることがSTEAM教育の目指す姿です。
ICT教育
これまで参加した学校説明会で、ICT教育について触れなかった学校はなかったのでは?と思います。今や1年生からパソコンやタブレットを使っての授業が当たり前になっていますね。ICT教育では、画像や動画、音声を使って指導できるため、児童の学習意欲を高めることができると言われています。
ほかにも、「児童の児童の理解状況や能力に合わせた学びを提供できる」「協働学習が円滑に進む」「児童の情報活用能力を育める」などの効果が期待できます。

こちらも知っておいた方がいいかも!?
ChatGPT
ChatGPTは2022年11月にリリースされたチャットボットで、世界中で多くのユーザーを獲得しているサービスです。ユーザーの質問に対してAIが生成した文章が非常に巧みであり、人間味のあるやりとりもできるとSNSで話題になるほか、学術界や産業界など多くの分野で注目を集めています。
これまでにも人間とやりとりをするAIは存在しましたが、ChatGPTは複数の言語を認識し、より人間らしく応答できるように設計されています。
すでに企業や自治体内での活用が広がっていますね。学校現場については、令和5年7月4日に文部科学省が「ChatGPT」をはじめとした生成AIの利用について、小中高向けのガイドラインを公表しています。
生成AIの教育利用に対する基本的な考え方として、「情報活用能力」の育成という観点からは、生成AIへの理解や活用、使いこなすための意識を育てることは重要としている。一方で、生成AIは発展途上であり、個⼈情報の流出、著作権侵害のリスク、偽情報の拡散リスクもあることから、現時点では活⽤が有効な場⾯を検証しつつ、「限定的な利用から始めることが適切」であるしています。

アクティブ・ラーニング
教育手法については本当に様々なものがあり、自分自身が育った時代から大きく進化しているんだなと感じます。その中でも、STEAM教育と絡めて取り上げられることの多いアクティブ・ラーニングについは知っておいた方が良いと思います。
「アクティブラーニング」とは、教室内でグループディスカッション、ディベート、グループワークなどを行い、子どもが自ら進んで積極的に、自分で考えていく学習法です。先生から教科書の内容を習う従来の日本の教育スタイルは、勉強すればするほど勉強への興味を失ってしまいがちでした。そこから脱却するために、子どもが自分から興味を持って勉強ができるようにと導入されたのが「アクティブラーニング」です。

最後に
教育トピックについていろいろと触れてきましたが、調べれば調べる程、自分自身が子どもだった時とは違うんだなということを実感します。
子どもの頃、親から言われる言葉に対して「古いな~」と思うことはありませんでしたか?私はよくありました笑
自分の子どもに「古いな~」と思われないように、親の知識も日々アップデートしなくてはと思う日々です。